合成皮革の剥離
ケース①
- ・ポリウレタン樹脂を使用した合成皮革のブルゾン。
着用とクリーニングを繰り返していたら、表面がぶくついてきた。
約７年前に販売されたもの。（図１～３）
ケース②
- ・ポリウレタン樹脂フィルムを使用したスカート。
着用とクリーニングを繰り返していたら裾部分等が剥がれてきた。
約５年前に販売されたもの（図４～６）
ケース③
- ・ポリウレタン樹脂を使用した合成皮革のジャケット。
着用とクリーニングを繰り返していたら、衿折り山の樹脂層が剥がれてきた。
約３年前のもの（図７～９）
どんな現象？
- ・一般的に合成皮革は、基布にポリウレタンなどの樹脂を塗布（コーティング）またはフィルム状のものを貼り合わせる（ラミネート）等の方法で加工したものです。
- ・ポリウレタン樹脂の劣化により樹脂層やフィルムの剥離が生じたり、剥離によるぶくつきが生じたものです。
原因は？
- 着用要因
着用による揉み・摩擦・屈曲等の物理作用や、汗・体脂・整髪剤その他雑多な生活環境物質・汚れの付着により変質劣化します。 - 素材特性要因
空気中の水分・熱・日光等の紫外線等によって、ポリウレタン樹脂自体が加水分解による経時劣化を起こす性質があります。
ポリウレタン樹脂をコーティングやラミネート加工した素材については使用状況にもよりますが、一般的に耐用年数は３～４年位と言われています。 - ドライクリーニング
ドライクリーニング溶剤によってポリウレタン樹脂が膨潤する上、被洗物との摩擦作用や揉み作用により剥離が促進されます。
上記ａ・ｂより強度低下しているところでクリーニングの作用が加わると劣化現象が著しくなります。
どうしたら防げるの？
- ・ポリウレタン樹脂自体は上記のような性質があることから、着用せずに保管していても劣化が進行していきます。
- ・このようなポリウレタン樹脂自体の経時劣化は防ぐ事は出来ませんが、汚れが付着したままにしておくと劣化が促進されます。
- ・汚れが付着した際はすぐにお手入れする事で劣化を遅らせる事が出来ます。少しでも長くご着用頂くためには日頃のお手入れが必要です。
どんな素材がなりやすいの？
- ・合成皮革やコーティング加工などポリウレタン樹脂を使用したものです。
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